No.840

吉野源三郎「君たちはどう生きるか」読了。
読もうと思ったのは、宮崎駿の同名の映画を見たから。

今から40年くらい前に書かれたお話だけど、読みやすい文体の小説という形で、人が人として生きる上で大切なことがたくさん書かれた本だった。
あとがきで、太平洋戦争に向かう日本で言論の自由も奪われて行く中で、せめて少年少女だけはその時勢の悪い影響から守りたいと書かれた本だと知って、改めて納得。
あの頃と時代は変わったけど、今の若い人達はもちろん、私たち大人世代にも読んだらいいんじゃないかなぁ。
私個人としてはもう少し若い頃に読みたかった気もするけど、今だからこそ共感できたり納得する部分もあるから、早い方がいいってものでもないのかも。
我が子には、もう少し大きくなったら読んでもらいたいな。

多岐にわたる知識を身につけて、その上でさまざまな角度から物事を見る視点を持つことが大切だなと折に触れて思います。
今の世の中、自分の定規でしか物事を測れなかったり、自分の正義を振りかざしてくる人がたくさんいるけど、そうじゃないよねって。
いつまでも、フレキシブルな思考ができる人間でありたい。

そういうことも踏まえて、さあこの本を読んで私はどう生きるか。

その答えはきっとすぐに出るようなものじゃなくて、一生かけて体現していくものだと思うから。
最後死ぬ時に、自分に恥じない生き方ができたらいい。