ミヒャエル・エンデ「モモ」読了。小学生?の時に一度読んでいるので、それ以来の再読になります。一度読んだといってもそれははるか昔、モモという女の子が主人公であることと、時間泥棒が出てくることくらいしか覚えていないというほぼ初読と変わらない状態だったのでとても新鮮な気持ちで読みました。50年前くらいに書かれたお話ですが、作者は未来予知ができたのかな?と思うほどに現代社会を書き表していて、我が身を振り返りつつ読みました。(実際作者あとがきで、これは過去の物語であり、未来の物語でもあるというようなことが書いてありました。)効率とか、時短とか、たしかに大事ではあるんだけど、それよりも心の豊かさって大切なんじゃないかなと、このお話を読み、改めて今の世の中を見て思います。効率化を求める世の中を時間泥棒というキャラクターで表すことや、時間についての概念など、表現一つ一つが素晴らしいと思う。時間泥棒は灰色でとても(物理的に)冷たい、人の時間は色鮮やかな美しい花という対比表現とか秀逸ですし。しかしなにより、「はてしない物語」を読んでも思ったけれど、ミヒャエル・エンデの想像力の豊かさに読んでいて圧倒されました。この人の頭の中には、きっと常にコポコポと湧き続けてる想像の泉があるんだろうな。それも、とびきりワクワクするものばかりが湧き出てくるような。想像、妄想、ファンタジー。こういったものは、フィクションゆえに残酷だったり過酷だったりすることはあるけれど、それでもとても優しいものだと私は思う。「本当じゃない」という優しさ。だからとても好きです。それから、想像や妄想というものは、物質的に豊かになるためにはむしろ不要である、いわゆる無駄なことかもしれないけれど、心を豊かにしてくれると思います。少なくとも、私は想像や妄想から生まれたものを読んだり、自分の中のそれをお話を書くという方法で形にすることで自分の心が豊かになっているような気がする。……と、この本を読んで面白いと思うと同時に、そんなことを感じたのでした。 2024.6.27(Thu) 18:44:22 本
「モモ」読了。
小学生?の時に一度読んでいるので、それ以来の再読になります。
一度読んだといってもそれははるか昔、モモという女の子が主人公であることと、時間泥棒が出てくることくらいしか覚えていないというほぼ初読と変わらない状態だったのでとても新鮮な気持ちで読みました。
50年前くらいに書かれたお話ですが、作者は未来予知ができたのかな?と思うほどに現代社会を書き表していて、我が身を振り返りつつ読みました。(実際作者あとがきで、これは過去の物語であり、未来の物語でもあるというようなことが書いてありました。)
効率とか、時短とか、たしかに大事ではあるんだけど、それよりも心の豊かさって大切なんじゃないかなと、このお話を読み、改めて今の世の中を見て思います。
効率化を求める世の中を時間泥棒というキャラクターで表すことや、時間についての概念など、表現一つ一つが素晴らしいと思う。
時間泥棒は灰色でとても(物理的に)冷たい、人の時間は色鮮やかな美しい花という対比表現とか秀逸ですし。
しかしなにより、「はてしない物語」を読んでも思ったけれど、ミヒャエル・エンデの想像力の豊かさに読んでいて圧倒されました。
この人の頭の中には、きっと常にコポコポと湧き続けてる想像の泉があるんだろうな。それも、とびきりワクワクするものばかりが湧き出てくるような。
想像、妄想、ファンタジー。
こういったものは、フィクションゆえに残酷だったり過酷だったりすることはあるけれど、それでもとても優しいものだと私は思う。
「本当じゃない」という優しさ。
だからとても好きです。
それから、想像や妄想というものは、物質的に豊かになるためにはむしろ不要である、いわゆる無駄なことかもしれないけれど、心を豊かにしてくれると思います。
少なくとも、私は想像や妄想から生まれたものを読んだり、自分の中のそれをお話を書くという方法で形にすることで自分の心が豊かになっているような気がする。
……と、この本を読んで面白いと思うと同時に、そんなことを感じたのでした。