No.1289

「君の名前で僕を呼んで」

静かで美しい映画でした。
同性だろうが異性だろうが、想いを交わし合うのはなんて美しいんだろう。
そこになんら違いはないと思う。

砂の惑星でも綺麗な人だなと思ったけど、若い頃のティモシーシャラメの美しさが半端なかった。
若さゆえの儚さや繊細さ、倦んだような憂いを纏った彼はどこか中性的で、たまらなく魅力的でした。
相手役のアーミーハマーも真っ直ぐにスラリと伸びた足、大人ゆえのずるさなどまた違った魅力が。
二人の体格差もたまらなかったなあ。

ラストの電話のシーン、互いに自分の名前で相手を呼ぶところが切なくて切なくて泣いた。
恋も愛も、その先に待っているのは必ずしもハッピーエンドではなくて、愛してるからこそ気持ちを押し隠したり、身を引いたりと一般的に幸せではない結末もあって、でもそれも一つの愛の形なんだってことを、この年になったからこそいろんな人生経験して、本当の意味で理解して受け入れられるようになった気がする。
恋も愛も苦しいよね。
幸せだけど、同じくらい苦しい。

このお話は主人公の両親がとても素晴らしい人達で、息子にかける言葉がとても深かったです。
最後に、その中で特に好きだった台詞を。

人は早く立ち直ろうと自分の心を削り取り、30歳までにすり減ってしまう。
新たな相手に与えるものが失われる。
だが、何も感じないこと、感情を無視することはーーあまりに惜しい。
(中略)
今はまだ、ひたすら悲しく苦しいだろう。痛みを葬るな。感じた喜びも忘れずに。

映画