No.1324

「ヴァン・ゴッホ・カフェ」
シンシア・ライラント
中村妙子・訳
偕成社

これは子どもに届いた本だったんだけど、表紙に惹かれて一気読み。
穏やかであたたかくて、優しくて。
缶に詰めた子どもの頃のたからものを、時間が経ってからそっと取り出して一つずつ眺めているような、そんなお話だった。

以下は、お話の中で気に入った文章。

“魔法は天国からくるというひともいます。地獄からくるというひともいます。でも一度でもヴァン・ゴッホ・カフェをたずねたことがあるひとならだれでも、魔法は、むかし劇場だった建物につきまとっているのだということを知っています。”

“願いごとをするって、むずかしいんですよね。世の中には幸福をもたらす願いごともあれば、不幸をもたらす願いごともあるんですから。”

“でも女の子にはときどき、秘密が必要なのです。秘密って、キラキラ光る銀貨みたいなんですから。”