No.1438

新年の読書記録その1。

岩波文庫
「桜の森の満開の下・白痴 他十二篇」
坂口安吾 作

勝出の二次創作小説を読んでいて引用に興味を持ったのがきっかけで、初めて坂口安吾の作品を読みました。
ちなみに引用されていたのは「夜長姫と耳男」の一節。

こちらの本は安吾の短編集。
女性をめぐるお話がほとんどですが、どれも面白かったです。
ただ、風博士は私にはちょっと難解で理解しきれなかった。
この短編集を読んでいると、戦争というものが安吾に強烈な衝撃を与えたんだろうなぁというのと、ままならない恋に振り回されたんだろうなぁというのを感じた。
白痴の女の人がよく出てくるのもそのせいなのかな。
恋の激しさや苦しさに主に焦点が当てられていて、それでも恋をせずにはいられない、諦められない苦悩がリアルで胸に迫った。

安吾は堕落論が有名なようなので、次はそれを読んでみたい。