No.52

本の題名も作者様のお名前も知ってたけどずっと読んだことのなかった、綿矢りさ「蹴りたい背中」を読んだ。

このお話を、19歳で書いたというのがすごい。
印象的な文章もたくさんあったのだけど、抜粋すると、

「さびしさは鳴る。耳が痛くなるほど高く澄んだ鈴の音で鳴り響いて、胸を締めつけるから」

「同じ溶液に浸かってぐったり安心して、他人と飽和することは、そんなに心地よいものなんだろうか。」

「笑いをこらえてる時って、むやみに腹筋がひくついて、切ないんだ」

とか。
自分にはこんな言葉、出てこないなぁ。
そして若いからこそ書けたのかもしれない、思春期特有のヒリヒリするようなストーリーも好きでした。
うん、読んでよかった。